36.菅田 将暉★映画「アルキメデスの大戦」観た感想は・・・

映画よもやま話

8月21日・・・アポロシネマにて

いま乗りに乗っている若手俳優のひとり、菅田 将暉くん主演の「アルキメデスの大戦」やっと観ることができました。
お盆休みに観に行こうと思っていたんですが、風邪をひいて寝込んでしまい、しばらく映画館に行けない日々を過ごしていました。
封切りされてから1ヶ月ぐらい経っているし、仕事帰りの20:10からの上映だったので、そんなに混んでないだろうと思っていましたが、なんの、なんの、7割はお客さんで席がうまっていたと思います。

物語は・・・日本と欧米の対立が激化する昭和8年、日本帝国海軍上層部は巨大戦艦・大和の建造計画に大きな期待を寄せていたが、海軍少将・山本 五十六(舘 ひろし)はその計画に待ったをかけた。山本は代替案を提案するも、上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂 直(菅田 将暉)を海軍に招き入れる。
数学的能力、そして持ち前の度胸を活かし、大和の試算を行っていく櫂の前に帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる。

天才数学者、櫂 直を菅田 将暉が演じ、山本 五十六を舘 ひろし、他に國村 隼、橋爪 功、田中 泯、小日向 文世、小林 克也、笑福亭 鶴瓶ら、しぶ~い、おっちゃん達が脇を固めています。おっちゃん達の中でも、ひときわ輝いていたのが田中 泯さんです。(上の写真の人)
この田中 泯さんって、すごい人だったんです!ネットで調べてみると、『世界的な前衛舞踏家。クラッシックバレエとモダンダンスを学び、暗黒舞踏の創始者である土方巽を師と仰ぐ。60年代にモダンダンサーとして活動を始めるが、従来のダンス界に反発し、独自の活動を展開。78年、仏パリの秋の芸術祭で海外デビューを果たして以降、世界各地でも発表を行う。舞踏、オペラ、演劇、美術展で振り付けや演出、出演をこなすほか、ジャンルを超えた多岐に渡る表現活動で芸術家だけでなく学者にも影響を与える。02年、山田洋次監督の「たそがれ清平衛」で初めて映像作品に出演し、日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞と新人俳優賞を受賞。以降、俳優としても活躍し、「隠し剣 鬼の爪」(04)、「八日目の蝉」(11)、「永遠の0」(12)、「47 RONIN」(13)、大河ドラマ「龍馬伝」(11)などに出演するほか、ドキュメンタリー番組のナレーションなども務めている。90年、仏政府芸術文化勲章シュバリエを受章。』とまあ、本業はダンサーなんだけど、俳優としてもナレーターとしても活躍されています。そして、1945年3月10日生まれというから、御年74歳!とてもそんな歳には見えません。とにかく存在感がすごいんですよね。立ち姿がカッコイイ!というのも舞踏家なら納得がいきます。

櫂くんが家庭教師をしていた良家のお嬢様、尾崎 鏡子役には浜辺 美波ちゃん、元気で明るい女の子のイメージが強かったんですが、この役では男尊女卑の時代設定もあるのか、自分の想いを胸に秘め、櫂くんの助けになりたいと東京から大阪までひとりで造船会社にやってくるという、きっと当時では相当勇気のいることだったと思いますが、櫂くんへの想いが健気に伝わってきました。
彼女のことを初めて知ったのは、昨年のテレビドラマ「崖っぷちホテル」で、空気の読めない総料理長役を演じていました。とにかく明るく、元気でカワイイ!私はすっかりファンになりました。そして、競艇狂いのスーシェフ役の中村 倫也くんも良かったです。「崖っぷちホテル」は、主役の岩田 剛典くんはもちろんのこと、出演している俳優さんたちが個性的で、とっても面白いドラマでした。

映画冒頭の数分間は、戦艦大和がアメリカ軍の空爆を受け、沈んでいくシーンから始まります。乗組員たちが次々と撃たれ、沈んでいく戦艦大和から海に放り出されて・・・戦争を起こしてはならない、戦艦大和を造ってはならない、という思いで、菅田 将暉くん演じる櫂 直が会議の場で戦艦大和の製造費の不正をあばいていくシーンは、本当に息を吞むほど緊迫感がひしひしと伝わってきました。

そして戦艦大和の設計者である田中 泯さん演じる平山 忠道が潔く「私の負けだ。」と身を引きますが、独学で戦艦大和の図面をおこした櫂くんに対して、「君は大和の美しさを分かっているハズだ!自分の目で実物を見てみたいとは思わないかね。」必死に打ち消す櫂くんでしたが、間もなく戦争が始まること、アメリカの1/4の国力で勝てるわけがないこと、そして日本の象徴である戦艦大和が敵に撃沈されることで、日本国民は敗戦を受け入れるだろう。という話を聞かされ、それから3年後、軍人となった櫂くんは涙で出航する戦艦大和を見送ります。
この映画は、ありきたりの戦争映画ではなく、戦争の意義、戦艦大和の存在意義を考えさせられる1本でした。ともすれば世論に流されがちな日本人の気質を利用されないように一人一人が注意しなければいけないと思います。